ICO

好きなゲームの紹介。知っている方は割と多いかと思いますが、ICO(イコ)という作品です。このゲームに感銘を受けて、宮部みゆきさんがノベライズされたことでも有名です。
知らない方のために説明すると、元はPS2のゲームで、現在はPS3にも移植されています。

舞台は、とある世界のお城。ICOという少年が、その城に幽閉された少女と共に、城の外へと逃れるのがゲームの目的です。

このゲームの特筆すべき点は、その独特の世界観。初期の宮崎駿作品といえば伝わるでしょうか。ナウシカや、シュナの旅、この辺りの作品の空気に非常に近いと思います。幻想的な映像美は、もう半端ないです。まじぱねえ。(だまれ

そして、洗練されたゲームデザイン。アイテム画面やステータス画面といった、ゲームに必ずあるといっていい要素が、完全に排除されています。数値、デジタル的な要素は何もありません。徹底したアナログ感。この思い切ったデザインも、作品の世界観を考慮してのことでしょう。拍手モノです。

ネタバレにならない程度に、心揺さぶられたシーンを一つ。
いつもプレイヤー(ICO)は、少女の手を引っ張って走り回ります。けれどとある場所で、少女が疲弊してしまい、歩くだけでやっと、という状況になってしまいます。
そこでいつものようにプレイヤーが手を引いて走ると、少女はすてんと転んでしまいます。「?」と思ってもう一度走ろうとすると、また転ぶ。
「あ、苦しくて走れないのか…じゃあ、ゆっくり歩いてあげないと。」
それがゲームとしてではなく、本当に「一個の人に対して」のような感情で、自然にそんな風に思えたこのシーンは、個人的に印象に残った場面の一つです。

美しく、怖ろしく、哀しい、この紛れない名作を、未体験の人には是非おすすめしたいです。f:id:kakkun51:20130206221358j:plain
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